営業ノウハウ
公開日 : 2021.04.23
最終更新日 : 2023.06.23
オンライン展示会の特徴とは?リアルの展示会との違いや集客のコツを解説!
営業活動の場として活用が広がる「オンライン展示会」は、その名の通り、Web上で開催される展示会のことを指します。以前は、東京ビッグサイトや幕張メッセといったイベント会場において、業界別・サービスのカテゴリ別に展示会が開かれていました。出展企業が自社のサービスや商品を展示し、興味のある企業が会場に足を運んで商品を手に取ったり、商談したりします。しかし、感染症拡大をきっかけにイベントは軒並み中止となり、同時にオンライン上で展示会を開催する企業が急増しました。オンライン展示会は会場に足を運ぶことなく世界中のどこからでも参加できる新しい集客方法として注目されています。 当然ながら、オンライン展示会はリアルの展示会とは異なる性質を持っています。そのため、オンライン展示会ならではの注意点やコツも存在します。オンライン展示会で自社商品に興味を持ってもらい成約に繋げるために、オンライン展示会とリアル展示会の違いや、出展時のポイントをご紹介します。【目次】
オンライン展示会とは?
オンライン展示会とは、インターネット上で開催する展示会です。企業の新商品や新サービスを発表したり、企業同士のマッチングをしたり、様々な用途で活用されています。 従来、企業が展示会を開催するには、開催日時を決め展示会場を借りて、イベント集客を行っていました。しかし感染症拡大をきっかけに、リアル展示会の開催見合わせ、出展見合わせをする企業が急増したのです。こうした中、リアル→オンラインへの置き換え(リプレイス)が加速しました。 例えば、歌手やアーティストなどはライブイベントをオンライン配信で行うようになり、学校での授業でもスマホやパソコンを使ったe-ラーニングが取り入れられるようになっています。 展示会も例外ではなく、Web上で完結できるオンライン展示会が注目されるようになりました。 オンライン展示会には、リアルの展示会にはないメリットがたくさんあります。単にリアル→オンラインと置き換えて開催するのではなく、種類やメリット・デメリットを踏まえて活用することで、これまでは接点を持つことのできなかった新しいターゲットにもリーチすることができます。 オンライン展示会は「バーチャル展示会」あるいは「Web展示会」とも呼ばれますが、混同を避けるために当記事ではオンライン展示会で統一しています。オンライン展示会を開催するメリット
オンライン展示会は、リアルの展示会にはない様々なメリットがあります。詳しくご紹介します。会場が不要
オンライン展示会の魅力は、物理的な会場が必要ないことです。リアルの展示会を開催するには、集客したい人数や、設置したい商品などを考慮して会場を確保しなければなりません。しかし、オンライン展示会は会場が必要ないため、会場探しの手間やコストが必要ありません。 会場が必要ないということは、会場に足を運ぶ必要もないため、来場者も移動にかかる交通費や時間が必要なくなります。世界中どこからでも参加できるのはオンラインならではと言えるでしょう。効果検証がしやすい
オンライン展示会は、リアル展示会と比較して、集客効果の分析や検証がしやすいのも魅力です。リアル展示会では、「ブースへ訪問してくれた人の数」や「性別や年齢などの内訳」、「ブースの平均滞在時間」などの詳細を把握するのは難しいです。 しかし、オンライン展示会であれば、データを簡単に取得することができるため、開催後すぐに分析することが可能です。アンケートの取得・集計もオンラインであれば手間がかかりません。 取得したデータを分析して、課題を洗い出し次の打ち手を考えることで、より良いオンライン展示会へと改善していくことができます。コストを抑えることができる
オンライン展示会はブース設営費、人件費、交通費、宿泊費、チラシ・パンフレットの印刷費用などがかかりません。オンライン展示会の場合、特設サイトを用意し接客をスムーズに行うためのツール類を導入する等の費用はかかりますが、開発リアル展示会と比較するとコストを抑えることが可能です。天候や交通機関の影響を受けない
オンライン展示会は天候や、事故や悪天による交通機関の運行停止などの影響を受けることはありません。屋外で開催される展示会は台風や大雪などの悪天候の場合、来訪者が減少します。また、交通機関の遅延にも影響を受けます。一方、オンライン展示会は、出展企業も来場者も天候や交通状況を気にせず参加できます。感染症対策が不要
オンライン展示会は、非接触で開催するため、感染症の心配がありません。コロナ以降は、企業の方針として、密になる場所への出張を避ける傾向にあります。リアルの展示会には参加できないが、オンライン展示会であれば参加したいという企業が増加しています。商品の搬入が不要
リアルの展示会は、商品を搬入する必要があります。製品が大きくなければ大掛かりではないですが、自動車や大型の製品など、展示会に運び込むのは、時間も費用もかかります。その点、オンライン展示会は商品の搬入にかかる時間や費用がありません。しかし、興味喚起のためには、商品をリアルに見せるための施策は不可欠です。オンライン展示会を開催するデメリット
オンライン展示会にはメリットがある一方でデメリットもありますので、出展を検討する際には確認しておきましょう。実際の商品を確認できない
オンライン展示会は「参加者がデバイス越しに展示品を見る」という特性上、実物を確認できない欠点があります。会場の臨場感も感じられないため、相乗効果も少なくなるでしょう。そのためリアル展示会以上に「商品・サービスの見せ方」には工夫が必要です。 オンライン展示会を魅力的にするにはARのようなデジタルツールを活用し、参加者がリアルな体験ができる方法を考える必要があります。UIやUXに配慮が必要
オンライン展示会は、サイト構築に工夫が必要です。開催する場合の検討すべき項目は、サイト構築、出展ブース・来場者受付システム、動画配信などの制作、チャットシステムの構築などです。全てを自社で構築すると莫大なコストがかかります。解決方法としては、オンライン展示会のプラットフォームを活用する、合同展示会に出展し、事務局側で用意している機能を活用するなどで、構築の手間を省くことができます。集客方法に工夫が必要
オンライン展示会はリアル展示会のようなプッシュ型の営業は容易ではありません。基本的に参加者がブースを訪問してくれるのを待つプル型の営業となります。そのため「いかに自社の商品に興味を持ってもらい行動を起こしてもらうか」が重要です。オンライン展示会の開催方法
オンライン展示会は、開催方式や表現方法がいくつかあります。展示会の開催方法を検討する際に押さえておくと便利です。開催方式
開催方式としては、主に「合同展示会」「単独展示会」の2種類があります。合同展示会は共通するプラットフォームを使い複数の企業が開催するもので、単独展示会は自社単独での開催です。オンライン展示会の開催方法 | ||
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方法 | 概要 | 特徴 |
合同展示会 | 複数の企業が集まって展示会を開催する方法 | ・複数企業で構成されるぶん展示会の規模が大きくなりやすい ・ブース構築の手間やコストがかかりにくい ・展示会の構築や表現方法が制限されることがある |
単独展示会 | 自社(一社)のみで展示会を開催する方法 | ・展示会の構築や表現方法などを自由に選択できる ・ブース構築の手間やコストがかかりやすい ・自社以外の企業は参加しないため直接的な集客に繋げやすい |
オンライン展示品のコンテンツ
オンライン展示会のコンテンツとして、「AR・VR」「動画コンテンツ」「ウェビナー」などの種類があります。リアル展示会に劣らない表現方法が可能なため、顧客の購買意欲を刺激することが可能です。 AR・VRとは、「現実の空間にコンピューター処理した画像や動画を表示する技術」のことです。AR・VRを活用すると、実物に触れるような感覚で3Dモデルを表現できます。リアル展示会では不可能な大胆な表現が可能なうえ、具体的な商品のサイズ感・質感をユーザーに伝えられます。AR・VRの活用で、リアルとオンラインそれぞれの特性を備えた、ハイブリッドな展示会の開催が可能です。 リアルな商材をオンライン展示会に出展する場合、「ARを活用し商品を魅力的に見せる」などの工夫をしてはいかがでしょうか。ARはVRと比べ手軽に導入可能なため、有形商材の展示会プロモーションに適しています。業務用の大きな商材でも、仮想空間でイメージを忠実に再現可能です。ARは、文章だけで特徴や魅力を伝えきれない商材でも、リアルに魅力を伝えることができます。ARの導入や活用事例については、以下の動画で詳しく紹介をしています。オンライン展示会ブースの種類
オンライン展示会のブースには「3DCGブース」「360℃画像ブース」「2Dブース」などがあります。オンライン展示会のブースは種類によって特徴が大きく異なるため、自社の目的に合う展示会を選ぶのがおすすめです。3DCGブース
3DCGブースは、フル3Dで再現した会場を見学できる展示会です。「実際に来場しているような臨場感」、「インパクトが大きい」などが魅力で、リアル展示会に近い訴求力があります。制作に時間とコストがかかるため、負担がかかります。360°画像ブース
360°パノラマカメラでショールームなどを撮影する方法です。ユーザーは360°写真でブース内を閲覧し、リアルに近い情報を体験できます。カメラを使って撮影するのに費用がかかります。出典:MoguraVR
2Dブース
開催場所を2D画像として設置し、画像の中に紹介内容をリンクさせる方法です。費用は3Dと比較し安く済みますが、興味を持ってもらうための工夫が必要になります。出典:DREAM NEWS
ウェビナー型
ウェビナー型はWebとセミナーを合わせた造語を指し、オンラインセミナーと呼ばれる方式です。ウェビナーは録画して、再活用することができます。デメリットは、通信環境が悪いと通信障害が起きたり、参加者の集中力が続かなかったりすることです。オンライン展示会の出展準備から当日、終了後の流れ
「オンライン展示会へ出展したい!」とお考えの方のために、展示会への出展手順を解説します。オンライン展示会の出展手順 | |
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手順 | 概要 |
1.自社が出展したい展示会を探す | ・展示会の出展目的を決めておく(商品やサービスの良さをアピールしたい、ビジネスマッチングに繋げたいなど) ・出展したい展示会は、業界専門誌やニュースサイトを通じて探す ・出展したい展示会が、自社の業種や説明したいテーマに合っているかを確認する |
2.展示用のコンテンツを用意・企画を考える | ・どの商品やサービスを紹介するのか ・どうやってコンテンツを用意するのか ・どうやって資料を顧客の手に届けるのか |
3.事前検証で不具合に備えておく | ・オンライン展示会はトラブルが起こりうる(通信環境が安定しない、参加者の声や顔の映像が途切れるなど) ・事前の開催リハーサルを入念に行う |
1.自社が出展したい展示会を探す
「商品やサービスの良さをアピールしたい!」「ビジネスマッチングに繋げたい!」など、オンライン展示会の出展目的は、企業によって異なります。まずは業界専門誌やニュースサイトなどから親和性の高い展示会を探しましょう。 「展示会のテーマ」「想定される来場者数」「参加予定企業」など、展示会が自社の業種や説明したいテーマに合っているか確認します。オンライン展示会は出展料が必要となるため、併せて確認しておきましょう。自社サービスの特性が特殊な場合、単独開催も検討します。2.展示用のコンテンツを用意・企画を考える
「どの商品やサービスを紹介するのか」、「どうやってコンテンツを用意するのか」、「資料はどうやって顧客の手に届けるのか」など内容を検討します。手の込んだ企画であればあるほど、準備時間やコストがかかるため、開催日から逆算して準備を進めましょう。3.事前検証で不具合へ備えておく
オンライン展示会では、「通信環境が安定しない」「参加者の声や顔の映像が途切れる」「ツールが開かずにやり取りができない」などのトラブルが起きる可能性があります。少しでもリスクを避けるために、事前にリハーサルをしておきましょう。トラブル発生時の対処法もリハーサルで確認しておくと、本番で慌てずにすみます。オンライン展示会を成功させるポイント
オンライン展示会を成功させるポイントは「集客」と「機能の活用」です。展示会を開催したとしても集客できれなければ意味がありません。SNSで告知したり、プレスリリースを配信したりすることで、拡散効果があり展示会を成功に導けます。ここから詳しく見ていきましょう。オンライン展示会に見込み顧客を集客する
ただオンライン展示会を開催するだけでは、集客は期待できません。オンライン展示会に出展をする際は、集客に注力し、たくさんのお客様に来場してもらうのが理想です。ハウスリストにメールや案内を送付する
手軽な集客方法として、オンライン展示会を開催する旨を、自社の保有するハウスリストから見込み顧客をリストアップし、メールやDMを送付する方法があります。メールは紙よりもコスト削減に繋がり、開催前の予定参加者へのフォローメールも簡単に送付可能です。SNSで告知する
「Twitter」「Instagram」「Facebook」などを活用し、展示会出展を告知すると、拡散効果があるため積極的に告知することをおすすめします。プレスリリースを配信する
プレスリリースを配信し、オンライン展示会開催について予告する方法もあります。自社サイトやオウンドメディアがある場合、展示会出展情報を掲載します。出展の見どころや出展商品などをしっかりと掲載してアピールしましょう。広告を配信する
予算に余裕があれば、広告を活用するのもおすすめです。関連する業界誌などもよいですが、SNS広告やリスティング広告といった運用型のWeb広告であれば少額の予算でも効率よく集客することができます。オンライン展示会の機能を活用
オンライン展示会では、より多くのお客様から反響を得るために、これらのツールを上手く活用しましょう。- 動画配信機能
- チャット機能
- 資料請求や商談が予約できる機能