営業ノウハウ
公開日 : 2021.09.24
最終更新日 : 2023.06.23
顧客の購入意欲を高める販促ツールとは?種類や活用のポイントをご紹介!
買い物中のお客様を「この商品が欲しい!」という気持ちにさせるためには、商品が目に留まるよう工夫が必要です。ターゲットユーザーに商品を認知させて購買へ繋げるために活躍するのが販促ツールです。 「売上をあげたい」、「販促ツールの活用方法がわからない」という方に向けて、販促ツールの活用方法や種類、費用感について解説します。販促ツールの導入を検討している方や、注目の最新販促ツールについて知りたいという方はご覧ください。【目次】
販促ツールとは?
販促ツールとは、文字通り販売活動を支援するためのツールです。消費者の購買意欲を高めることが目的です。代表的な販促ツールとして、チラシ・ノベルティ・POP・メールマガジン・ダイレクトメール・カタログ・Webサイトなどがあります。駅前でティッシュを配る、商品におまけをつけるなども古くから活用されている販促方法ですよね。店舗やECサイトなどで広く活用されており、「すでに導入している」という企業も少なくないでしょう。昨今は従来型の販促ツールに加えて、デジタルサイネージという小型テレビ版の映像型POPや、ARやVRといった最新技術の活用やオンラインの販促ツール等も普及しています。販促ツールもこれからの時代や消費行動の変化に合わせ、新たな手法として取り入れていく必要があります。販促ツールを活用する目的
販促ツール活用の目的は、企業やサービス認知度を高めることや新規顧客を獲得すること、商品やサービスの購入を促すことなど、企業によって様々です。販促ツールを上手に活用することで、商品の認知度や売上アップといった効果が見込めます。企業やサービス認知度を高めて新規顧客を獲得する
企業やサービスの認知度が高まれば、新規顧客の獲得が期待できます。イベント会場でノベルティ・無料サンプルの配布を行う、アンケートを実施し回答者にプレゼントを配布するなど、新規顧客の獲得を効率化することができます。販促ツールの活用法 | 効果 |
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イベント会場でノベルティ・無料サンプルの配布 | 新規顧客の呼び込み |
アンケートに答えた人にプレゼントを配布 | 新規顧客の呼び込み・情報収集 |
Webメディアでの広告配信 | 認知度向上、ブランディング効果 |
AR(拡張現実)ツールの活用 | 興味喚起、購買意欲を高める |
既存顧客のリピートやアップセルを促す
販促ツールには、既存顧客のリピート購入を促進することを目的としたものもあります。企業の成長や利益の安定化の面で、既存顧客のリピート率向上は重要と言えます。 いくら新規顧客を獲得したとしても、リピート顧客を増やせなければ、永続的に新規顧客獲得のための費用がかかります。 広告業界では「1:5の法則」という定説が存在し、新規顧客の獲得は既存顧客の定着よりも5倍のコストがかかると言われています。既存顧客向けの販促ツールを上手に活用し、「顧客分析」、「サービスの品質向上」、「優良顧客の育成」などに取り組みます。販促活動の効率化とコスト削減ができる
販促ツールの活用によるコスト削減は様々な方法があります。 その1つとして「オフラインからオンラインへの移行」が効果的です。一例を紹介すると、紙チラシからデジタルチラシに切り替えることでコスト削減に成功している事例が多数あります。ペーパーレス化は環境への配慮の観点からも良い取り組みと言えます。また、チラシは配布するのに時間がかかりスピーディーに届けることができませんが、メール等で配信すれば短時間で大勢の人に配布することができます。費用的・時間的なコストが削減可能です。 特に、デジタル領域の販促ツールは、デジタルネイティブ層(生まれた時点でネット環境が整っている世代)には高い訴求効果が期待できます。自社に最適な販促ツールの選び方
販促ツールは、商品への興味喚起、購買意欲向上に貢献し、成約へと繋げるためのものです。ただし、ターゲットとなる顧客を分析しターゲット像を作成した上でツールを選択する必要があります。予算を無駄にしないためにも、自社のターゲット像や目的に合ったツールを導入しましょう。ペルソナを設計しターゲットに合ったツールを選ぶ
販促ツールを選ぶためには、商品を売りたいターゲットを明確にすることが必要です。「ペルソナ設計(架空の人物を設定してマーケティングへ落とし込んでいく手法)」で顧客イメージを具体的に定めましょう。 ターゲット像を明確にした上で、どの販促ツールをどのように使用するかを決定し、コンテンツ制作へと進めるのが効果的です。 ペルソナの設計に必要な項目はサービス・商品によって異なりますが、基本属性を中心に設計します。- 性別
- 年齢
- 家族構成
- 居住地
- 居住形態
- 職業、役職
- 抱えている課題
- 生活スタイル
- 趣味・嗜好
ツール利用後の目標を決める
販促ツールの活用によってどんな目的を達成したいのかもあらかじめ決めておきましょう。その理由として、目的によってどんなコンテンツを作って発信すべきなのか変わってくるからです。 例えば、「自社商品・サービスや自社自体のイメージ向上を狙いたい」、「購入まではいかなくても資料請求増加などへ繋げたい」といった目的があります。認知度向上が目的なら、広く新規層へ発信する必要がありますし、購買へ直接繋げたいのであれば、購入に関係する情報を過不足なく入れ込む必要があります。 また、目的は数値を含めて可視化しておきましょう。マーケティングにおいてはKGI(最終的に達成したい目標を数値化する)、KPI(KGI達成に伴う複数の通過ポイントを小さな指標として数値化する)などの指標がよく活用されています。販促ツールの費用感
スーパーのチラシや街頭で配られるポケットティッシュ、メールマガジンまで、販売を促進するための全ての方法が「販促ツール」と言えます。販促ツールの導入費用も、内容によって大きく異なります。導入する際は予算や効果、導入にかかる時間などを考慮して決めましょう。 以下は販促ツールにかかる参考費用です。目安としてお考えください。販促ツールの種類 | |
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販促ツール | おおまかな費用相場 |
チラシ | 3~5万円(デザイン費・原稿制作費など) |
電話営業 | 1アポにつき1万円~(成果報酬) 営業1人当たり月50万円~(固定報酬) |
ノベルティ(ポケットティッシュ、ボールペンなど) | 100円(1つ当たり) |
メールマガジン | 1,000~10万円(月額費用) |
ダイレクトメール | 70円(1通当たり) |
ポップ | 3,000~5万円(製作代行) |
のぼり(旗、タペストリーなど) | 5,000~1万円(旗の場合) |
カタログ | 30万~200万円(企画・プランニング費など) |
Webサイト・ブログ | 10万円~300万円(企画・コーディング費など) |
AR技術やオンラインを活用した最新の販促ツール
AR技術やオンラインを活用した最新の販促ツールは、デジタル技術で販促をサポートするため、のぼりやチラシのように、「保管や管理にコストが発生しない」、「準備や導入が容易」という利点があります。おおまかな費用相場 | ツールのメリット | どんな業界や企業におすすめ? | |
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ARツール | 17万8,000円~ (ARコンテンツ制作費1モデル) | ・製品を立体的に表現して営業活動を効率化できる ・自社製品のリアルなイメージをリモートでも伝えやすい | ・オンラインショップを運営する企業 ・家具家電、オフィス什器を扱うメーカーなど |
SNS | 無料~10万円 (コンサルティングなど) | ・費用をかけずに販促活動を行いやすい ・短期間での広告効果を期待しやすい | ・オンラインで販路を増やしたい企業 ・顧客育成により自社商品のファンを増やしたい企業 |
デジタルサイネージ | 10万~300万円 (再生機器・システムなどを含む) | ・位置情報と連携せてその場で情報を変更できる ・媒体を取り替えずに情報発信ができる | ・時間帯に合わせたメニューを紹介したい飲食店舗 ・季節に合った旅行先をおすすめしたい旅行代理店など |
CRM (顧客管理ツール) | 無料~5万円 (運用コストとして月1万~2万円) | ・販促に加え顧客データの分析や顧客管理ができる ・商品やサービスのプロモーションなどを自動化できる | ・販促・営業活動そのものを効率化したい企業 ・ターゲットに合わせたプロモーションを行いたい企業 |
ARツール
「ARツール」は、CGを介した販促が可能なツールです。ARとは、スマホやタブレット端末のカメラ越しにCGを追加する技術を指します。カメラを通じた世界にイメージを投影できるため、商品のリアルな大きさや配置を鮮明に伝えることが可能です。
例えば、大きな家具や家電などを販売する際にURLやQRコードさえあれば、店頭や自宅で商品の大きさや配置を確認してもらえます。
顧客の購入意識が薄れる前に「買いたい気持ち」を促進し、機会損失を減らす効果が期待できます。リアルな商品イメージを確認できるARツールは、店舗での販促はもちろん、オンライン商談やECサイトとも非常に相性の良いツールです。
SNS
「SNS」はWebサイト・ブログと同様に業種を問わず利用されている方法であり、自社のファンを積極的に増やしたい場合、効果的です。
具体的な手法としては「Facebookで業務システム提供業者が情報発信をする」、「Instagramで飲食店が新メニューを紹介」などが挙げられます。
SNSは媒体ごとに特性があるため、事前にターゲットユーザーや目的の設計が重要です。設計がきちんとできていれば、使用媒体および機能設定ができるでしょう。
SNSの利用率は、2013年には56%程でしたが、2020年では79%程に増加しています(ネット利用者に対するSNSの利用者の割合)。また、近年18〜24歳の若者の8割がSNSで検索活動をしているというデータもあり、SNSの活用で多くのユーザーに商品やサービスを訴求できます。
SNSはサービス利用者同士のコミュニケーションにも秀でたツールです。他の販促手法に比べ、企業とSNSユーザーとの関係性を強化できるため、顧客育成(ナーチャリング)の効果が期待できるでしょう。
デジタルサイネージ
「デジタルサイネージ」は電子ディスプレイを使い、企業や業界を問わず汎用性の高い使い方ができる販促ツールです。大手スーパーや駅では、デジタルサイネージを見る機会が増えたのではないでしょうか。「位置情報と連携させてその場で情報を変更できる」、「媒体を取り替えずに情報発信ができる」などのメリットがあります。
例えば飲食店の場合、朝食やランチ、ディナーセットのように「時間帯に合わせて表示させ情報を変化させる」といった使い方が可能です。また、旅行代理店などでデジタルサイネージを導入すれば、夏休みに最適なリゾート地や、紅葉が美しい秋の名所など「季節に合わせておすすめの旅行先を発信する」などもできます。ターゲットに最適な情報を発信できるのが、デジタルサイネージの強みでしょう。
デジタルサイネージは費用が高めですが「競合に差をつけて自社ブランド製品をアピールしたい」といった希望があれば、導入することをおすすめします。
CRM(顧客管理ツール)
「CRM」とは、「Customer Relationship Management」を略した言葉で、営業支援ツールを指します。顧客・案件管理をはじめ、商品やサービスのプロモーションなどを自動化できるのが特徴です。入力した顧客の情報に合わせ、ニーズに見合った商品やサービスを自動で案内してくれる他、顧客からのクレームや問い合わせなどをサポートしてくれます。
インターネットが普及した近年は顧客ニーズが多様化しており、「細かな顧客データの分析」「顧客管理」「戦略作り」が必須なため、CRMの活用は有効です。
CRMと似たツールとして「SFA(Sales Force Automation)」があります。SFAはCRMとは異なり、「営業支援に特化している」ツールです。営業マンの行動管理やレポート作成など、営業活動を包括的に支援します。営業活動の効率化や標準化などを考えている企業にはSFAがおすすめです。