ARの基礎知識
公開日 : 2022.09.23
最終更新日 : 2023.06.23
ARのメリットとは?VR・MRとの違いを交えて解説
今回はARのメリットや活用事例、そしてVRやMRとの違いをご紹介していきます。ARに関するもっと詳しい説明は、「ARとは」をご参照ください。 ARはゲームに限らず、ビジネスでも活用されている技術です。現実世界との親和性が高いことから、VRやMRといった競合になる技術と比較してビジネスへ活用しやすいのもポイントになっています。 最近ではWebブラウザ上でARを体験できるWebARも登場しており、コストを抑えてARを導入しやすくなっているという点も覚えておくと良いでしょう。【目次】
ARにはどんなメリットがある?
ARとは拡張現実のことであり、現実世界にコンピューター処理を加えることでさまざまな体験ができるようになる技術です。たとえばお菓子のパッケージにもARのマーカーが活用されることがあり、消費者はスマートフォンから読み込むことで動画や3Dモデルなどを表示可能になります。 また、既にARは長い間ビジネスで使われているので、マーカータイプに限らないさまざまな認識方法(「ARとは」参照)が登場しているのもポイントです。 ARをビジネスで活用すると- 有形商材を持ち運ばなくても相手に見せられる
- 動画や画像といった方法と組み合わせることで表現方法が多様化する
ズバリ!ビジネスにARを導入するとどんなメリットがある?
では、業界ごとにARの具体的な活用メリットを見ていきましょう。ECサイト
最近ではECサイトでもARの導入が増えています。サイトから商材のARモデルを表示して、立体感やサイズなどを確認できるのがポイントです。 今までもテキストや画像、動画で商材の紹介はできましたが、どうしてもECにおいては直接実物を見られないデメリットがつきまといます。しかしARを使えば、直接触ることはできないものの、疑似的に実際の商材を確認して多方向から確認したり、質感を確かめたりできます。それによって、ECサイトにおける商材の訴求力アップ、購入後のミスマッチ防止に繋がるのです。物流業界
物流業界において、ARは従業員の業務サポートに活用されています。例えば、従業員が専用のARグラスを掛けながら作業することで、以下における指示出しが容易になります。- 商品の場所
- ルート
- 作業時の注意点
営業業務
営業業務では、プレゼン資料での商材提示などにARが活用されています。 営業では実際の商材を見せながら話を進めたいときがありますが、手元にまだない、大きくて外部へ持ち出せないといった要因で、すぐに商材を用意ができないケースもあるでしょう。説得力を上げるには商材の提示が有効ですが、用意できずにトークだけで魅力を説明するにはやはり限界があります。 そんな商材を用意する上でネックとなる部分を、ARが解決してくれます。商材やサンプルを3Dモデルですぐ表示できるので、手元に実物がなくても問題ありません。結果的に成約率の向上や営業効率化などが実現可能です。 ARは業界に縛られない技術ですが、使い方次第で企業利益の拡大に大きく貢献します。ちなみに営業業務はARとの相性が特によく、導入する企業が多いのもポイントです。ビジネスでARを導入するには?
簡単にビジネスでARを導入する方法を解説すると、- 開発環境をインストールする
- ARツールの設定を行う
- プログラミングを行う
- ARを実行する
アウトソーシングなら手軽にARを導入できる!
アウトソーシングでAR開発を依頼すれば、外部のエンジニアがすぐ高品質なARコンテンツを用意してくれます。自社ではAR制作以外の作業に集中できますし、結果的に外部委託したほうがコストを抑えられるケースもあるのです。 「メーカーパーク」でも、WebARを使ったコンテンツ制作を代行しております。 WebARタイプはネイティブアプリタイプと違ってインストールが不要であり、気軽に顧客へ提示できるのでビジネスでの活用にはもってこいなのがメリットです。またアプリ開発はちょっとしたモデルを用意するには適していませんが、WebARならば少量のモデル制作も簡単にできます。- 99.9%のサイズ再現率!クオリティの高いARモデルを制作
- スマートフォンのようなモバイルデバイスでも扱える!特別な技術やシステムは不要!
- 月額費用は税別3万円から!お試しプランも用意!
ARはVRやMRとは何が違う?
続いては混同されやすいVRやMRとの違いについてご紹介していきます。是非「ARとは」の記事と併せてご覧ください。特徴 | メリット | |
---|---|---|
AR | ・実在の景色に、仮想の情報を映し出す ・すでに一般化しており、開発コストが比較的低い ・ビジネスでの普及率が高い | ・有形物を持ち歩かずとも相手に見せることができる ・動画や画像との組み合わせで表現方法が多彩にある ・営業活動や販促活動で、ギャップの軽減に寄与できる |
VR | ・専用のグラスなどを使用し、視覚を仮想現実に置いて利用する場合が多い ・まだビジネスでの普及率は低い | ・バーチャル空間を用いることで販促活動や購入までを複合的に行える |
MR | ・ARとVRを複合した技術 ・現実の風景に、仮想の情報を“さもそこにあるかのように”投影する ・実際に投影したものを作業できるものもある | ・再現度の高い仮想情報のため、よりリアルな検討や議論、作業準備をすることが可能になる |
VRのメリット
VRは仮想現実、つまり現実世界を丸ごと置き換えられるようなコンピューターの空間を作り出す技術のことです。 バーチャルな世界で実際に空間の中を動いたり、キャラクターに触ったりできます。現在では現実世界の「運動」「購入」「交流」といった行為をVRで代替するようなメタバースの概念も有名になってきました。メタバースはVRと強い関連性があるので、一緒に覚えておくと良いでしょう。 VRはビジネスにおいて、バーチャルオフィスの環境を作ることなどに役立てられています。ただしARと比較するとまだビジネスでの普及率は低く、ゲームといった消費者向けのジャンルで用いられるケースが多いです。コスト問題やプラットフォームの統一問題などが解消すれば、今後はARのようにもっと広がっていく可能性があります。MRのメリット
MRとは、ミックスリアリティの略称です。つまりAR・VRの双方を活用した技術を指しています。MRはマイクロソフトなどが提唱しており、普及に力を入れつつあるのもポイントです。 簡単に説明すると、「現実世界を実際に見ながらVR映像も組み合わせるような」表現が代表的です。例えばマイクロソフトのホロレンズを使えば、MinecraftのVR映像を机などに投影して操作できるようになります。 ARやVRと比較すると認知度が低いように思えるMRですが、利用範囲は広がっており企業の工夫次第で大きな経済効果が発生する可能性もあるでしょう。 というわけで、ここまでの結果をまとめてみると以下がポイントになってきますよね。- VRやMRは高度な技術で将来性もその分高い
- 導入や使いやすさ、コストなどを考えるとARも有効である
ARはなぜ手軽なのか
ちなみに、ARは今までよりどんどん手軽に提供できるようになっています。それには次のような要因が関係しています。モバイルデバイスとの親和性が高いため
ARはモバイルデバイスの普及と切り離せない関係にあります。多くのARがスマートフォン・タブレット向けに提供されているためです。特にスマートフォンの普及率は固定電話より高く(総務省調べ)、固定電話に代わるインフラとして一般化しているのもAR普及を後押ししています。 持ち運びして普段使うモバイルデバイス上で表示できるようにすることで、外出時にも手軽にコンテンツを表示できるのがARの特徴です。ツアーアクティビティにARが頻繁に使われるのも、季節などの要因でいつでも見られるわけではないものを疑似的に再現して旅行体験をより良いものにするためです。 またARに使うのはカメラだけではありませんが、モバイルデバイスには必要なセンサーが大体は用意されています。将来的に“香りセンサー”といった普及していないセンサーまで搭載されれば、さらにすごいAR体験ができるようになるでしょう。WebARが登場したため
ARのコストや開発のハードルの高さを下げた要因に、WebARがあげられます。Webサイトサービスの一環としてARを提供できるようになったことで、ARの持つ多様性がさらに上がっています。 従来のARは、アプリを使って利用するのが一般的でした。しかしアプリには以下のようなデメリットが存在しており、普及の障壁になってきました。- インストールする手間が掛かるのですぐに使えない場面がある
- iOSやAndroidといったプラットフォーム別に作る必要性が出てくる
- インストールせずにWebサイトを開けばすぐに利用できる
- プラットフォームにかかわらずブラウザ上で気軽に表示できる
ARアプリ・WebARの事例を紹介
ここからは認識方法の種類別に、ARアプリ・WebARの事例をご紹介していきます。マーカー型
マーカー型とは、コストが安く済みやすく、手軽に体験できる度合いが高いAR認識方法です。専用のマーカーを印刷してそれをカメラで読み込むと、関連したAR動画やモデルが再生されるのが特徴になっています。 ECサイトや食品など幅広い分野で利用されているマーカー型は、正確に狙った場所へ表示ができるメリットがある反面カメラがうまく認識してくれないとコンテンツが再生されないデメリットも抱えています。といっても現在のモバイルデバイスは認識能力も上がっているので、多少のマーカーのテカリなどは読み込みに影響しないでしょう。GPS型
GPSセンサーを利用してARコンテンツを再生するタイプです。ポケモンGOといった人気コンテンツはGPSベースでAR映像を流しています。 GPS型はマーカーに依存せず、位置情報に応じたコンテンツを表示できるメリットがあります。そのため地図情報の追加やゲームキャラクターの分布などに活用されているのがポイントです。反面GPS自体の精度に左右されるので、GPSが反応しない場面では利用不可になり環境によっては描画のずれが生じるリスクがあるのがデメリットになっています。物体認識型
特定の立体物の奥行きまで把握してARを描画する方式です。 マーカーを用意できない場面でも特定の対象物を起点としてAR表示ができるため、表現の幅が広がるのがメリットです。その分ARの処理負荷が掛かるので、クオリティをそこまで必要としないARにはおすすめできません。また奥行きを感知するセンサーの精度によってはうまくARが描画されないリスクもあります。空間認識型
目の前の部屋といった空間の広さ・奥行きを認識できるタイプです。 空間に対して正確にARモデルを表示したいときに向いています。たとえば家具配置を行う際は、空間認識タイプでスペースの奥行きなどを認識して配置を正確に行う必要性が出てきます。 空間を限定したコンテンツを表示する際には向いていますが、処理能力の負担などの問題があるので簡単なARモデルの表示には向いていないでしょう。- 今までの説明だけだといまいちイメージが不足している
- ARを今すぐ体験して学習に活用したい