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ARの基礎知識
公開日 : 2021.11.04 最終更新日 : 2022.11.30

AR(拡張現実)とは – 今までとこれから

映像や画像処理の技術革新が進む中、利用機会が増加しているAR(拡張現実)。今ではARは認知度の高い技術です。また、ARは日常でも活用できる範囲が広がっており、自動運転のような最新技術にもARが活用されています。身近なところだと「ポケモンGO」などゲームアプリでも利用されていますので、ARに触れたことがあるという方は多いのではないでしょうか。
また、ARはビジネスや営業の世界でも、業務活動の効率化や、販促のツールとして大きな注目を集めています。まさにARは市場の活性化に向けたカギを握るといっても過言ではないでしょう。

そこで、 “今までとこれから”と称し、ARに関する必要な知識を交えながら、ARの最新技術や活用方法について詳しくご紹介します。

AR(拡張現実)とは現実に想像をプラスアルファする技術

ARとは、「Augmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)」の略称で、日本語に訳すと「拡張現実」、つまり現実を仮想的に拡張する技術です。
ARはスマートフォンやタブレット、ARゴーグルなどの機器を使用して、ユーザーが実際にみている現実の空間にコンピューター処理した画像・動画などのデジタルコンテンツを追加し、周囲の世界にプラスアルファすることでユーザーに想像を交えた現実を提供します。スマホ向けサービスとして比較的簡単に実現できる技術であったり、日常生活の利便性を向上させる技術であったりしているため、新たなビジネス産業の分野でも注目を集めています。

AR自体は昔からあるコンピューター処理技術なのですが、近年では空間を丸ごと把握できるARが登場し、飛躍的な技術進歩を遂げています。そのためビジネスでも活用範囲が広がっており、VR(仮想現実)と同じくらい注目を浴びています。とはいえ、「ARとは何か」を文章だけで理解しようとしても、イメージが掴みにくいかもしれません。そこで、ARについてより詳しく知りたい方はこちらの動画をごらんください。ARについて基本情報や概要をわかりやすくお伝えします。

今まで:ARが誕生した背景

ARの概念は1901年に作家L・Frank Baum(ライマン・フランク・ボーム)が小説『The Master Key: An Electrical Fairy Tale』の中で現実とデジタルを融合させるARグラスのような装置を登場させたことが始まりでした。

1990年にはボーイング社のTom Caudell(トム・コーデル)とDavid Mizell(デビッド・ミゼル)により作業用支援ツールを発表し、初めて「AR」の言葉が誕生しました。

ARの市場規模

ARの市場規模は年々拡大し、技術も大幅に向上しています。IT専門調査会社であるIDC Japanは、2023年までAR/VR関連の支出額は1,606.5億ドルに達すると発表しました。特に、AR/VRのヘッドセットはゲーム業界以外の業種からの関心も高く、2021年の出荷台数は8万台に達しました。ARは従来のビジネスの仕組みや在り方に改革をもたらす注目の存在であり、今後もAR関連の新たなハードウェア・ソフトウェアが誕生することが期待できます。


出典:https://www.moguravr.com/idc-vr-ar-headset-market-overview/

海外のAR市場動向

海外でもAR市場は盛り上がっており、さまざまな企業が開発に乗り出しています。ソフトウェア大手のMicrosoftが提供するMRゴーグル「HoloLens」は工場・小売りの作業支援で使われているほか、医療・ゲーム・地図アプリなどの分野でも利用拡大しているのが特徴です。
また、スマートフォンを活用したARで、リアルタイムで空間が認識できる「Tango」も需要が高まっています。AR市場の成長が今後も加速することを見越して、多くの企業がARをマーケティング戦略と位置づけ、その活用に向けた取り組みを行なっています。

ビジネス分野でのAR活用

ARは国内でもさまざまなビジネスで活用されていいます。産業の分野だけではなく、小売や教育の場など多様な業界で活用が拡大しています。以下は、ARがビジネスにもたらす主な3つの効果例です。

顧客が非日常的な体験ができる

ARは毎日同じことを繰り返す日々を送る人々が「非日常の世界」を体験できることを可能にします。顧客のそうした願望を満たすことで思わぬビジネスチャンスを得られるでしょう。ARは顧客が求める経験を与え自社の製品やサービスに対する満足度も高めます。その結果、SNSで自社のARが話題となり購買層を増やす効果が期待できるでしょう。

商品・サービスをわかりやすく説明できる

ARを活用すると視覚的にわかりやすく、顧客にとっては便利です。パンフレットの説明だけでは伝えきれなかった部分も伝えられるため、顧客の商品・サービスに対する理解が深まります。例えば私たちの「MakerPark」を使ったサービスのように自宅での配置をシミュレーションできると、迷わずに商品を購入できるのです。

人手不足対策となる

ARは製造業の現場においても人手不足を解消します。手順を標準化できるため誰でも同じような作業ができ、作業の効率化につながります。その結果人件費の削減にもつながるでしょう。

ARをマーケティング戦略に活用することで、SNSへの投稿を促進し、共感が生まれ、さらなる拡散の可能性を秘めていることも、ARの魅力といえるでしょう。自社のARが拡散され、話題性が高まれば、売上アップにも貢献します。パンフレットなどの印刷物との大きな違いは、製品やサービスを体験できるという点です。製品体験を通してブランドや製品、サービスのファンになってもらえるという効果も期待できます。

ARとVRは何が違う?AR・VR・MRの違いとは?

ARと似ている技術としてVRとMRがあげられます。これらの技術はどのように違うのでしょうか。AR・VR・MRの違いについて学んでいきましょう。

AR MR VR
体験空間 拡張現実 複合現実 仮想現実
現実のもの 見える 見える 見えない
見え方
コンテンツに
触れられる
デバイス上でできる できる できない
使用デバイス ・スマートフォン
・ARスマートグラス
・MR専用ヘッドマウントディスプレイ ・VR専用ヘッドマウントディスプレイ

ARとVRとの違いとは?

「VR」とは「Virtual Reality(仮想現実)」を略した言葉で、「現実空間に仮想情報を合わせたもの」をいいます。ARが現実世界を拡張させるのに対し、VRは「仮想空間を現実のように感じさせる技術」です。ARよりもVRが広く普及しているため「何となく知っている」という方も多いかもしれません。VRを体験するには専用のヘッドセットやゴーグルを使う必要があるため、ARのほうが導入しやすいのが特徴です。

ARとMRの違いとは?

「MR」とは「Mixed Reality(複合現実)」を略した言葉であり、ARを発展させた技術です。現実世界の形状をデバイスが確認し、3Dやホログラムなどのバーチャルな世界をシンクロできます。代表的なものはMicrosoftが開発した「Hololens」です。現実空間の凹凸を認識し、仮想世界のコンテンツや映像を操作できます。バーチャルな世界をリアルに描くのがMRです。

ARの種類別特徴

ARには、「マーカー型」、「GPS型」、「空間認識型」、「物体認識型」の4つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。その違いについて見ていきましょう。

種類 ARを出現させるトリガー 特徴 活用例
マーカー型

写真・画像・建物

・決まった形の図形をスマホが認識
・QRコードやテキストを読み取れる
・イベント
・カタログ・ポスター
・芸能人・キャラクター
・店舗
・書籍・広報誌
GPS型

位置情報

・位置認識型のAR
・GPSのロケーション情報を活用
・建築物・建物
・天体観測アプリ
・地図アプリ
・観光地
・ゴルフ場
空間認識型

タップアクション

・画像から空間とオブジェクトを認識しARを起動
・家具・家電などの配置シミュレーションに利用
・ARの中では一番開発が難しい
・キャラクター
・イベント
・バーチャルメイク
・商品設置例のアプリ
・AR広告
・製造業・建築業などの産業分野
物体認識型

立体物

・特定の立体物の認識でARが表示
・特別なマーカーは必要ない
・おもちゃ・フィギュア
・製造業・産業機械
・商品・パッケージ
  • マーカー型・・・画像や写真(マーカー)を認識するとARコンテンツが表示される
  • GPS型・・・スマートフォン等で位置情報を取得すると、設定されている付近のARコンテンツが表示される
  • 空間認識型・・・スマートフォン等の画面をタップするとARコンテンツが表示される
  • 物体認識型・・・特定の立体物を認識することでARコンテンツが表示される

GPSなどのロケーション情報を元にARコンテンツを表示させる技術を「ロケーションベースAR」と呼びます。また、カメラ機能を使って取得したマーカーを解析してARコンテンツを表示させる技術を「ビジョンベースAR」と呼びます。ビジョンベースARは「マーカー型」と「マーカーレス型」の2つにわけることができ、空間認識型や物体認識型は「マーカーレス型」に該当します。

ARはどうやって画像や空間を認識する?

ARにはいくつか認識タイプがあり、それぞれで仕組みや特徴が異なっています。

ARはどのように画像や空間を認識するのでしょうか。ARにはいくつか認識タイプがあり、種類によって仕組みや特徴が異なります。ここから、種類ごとの仕組みや特徴について見ていきましょう。

マーカー型

「マーカー型」は、QRコード・写真・イラストなど特定のマークをカメラで撮影し読み取ることで映像を表示する仕組みです。ARの中では最もシンプルで自由度が高く、コストもかからない手法といえます。マーカー型はパッケージやラベルなどにマーカーを入れてARコンテンツを表示できます。つまり、ユーザーがカタログや雑誌に掲載したマーカーを読み取り、リアルな動画を視聴してもらうこと等が可能です。ただし、基本的にはARコンテンツが出現する箇所を仕込んでおくことが必要になるため、AR出現箇所を作らなければなりません。

GPS型

「GPS型」はスマートフォンの位置情報をベースとした手法です。GPSなどからユーザーの現在地を特定し、加速度センサーなどの情報と組み合わせて、リアルタイムにキャラクターや移動情報などを表示できます。ユーザーの動きに合わせて情報が与えられる仕組みです。ゲームアプリやカーナビなどへ活用されています。GPS型の代表的な例は、「ポケモンGO」です。

空間認識型

「空間認識型」は空間そのものを認識し、スマートフォンから得られた情報を組み合わせて空間を立体として再現できるタイプです。スマートフォンを持ったユーザーの現在地や周辺の障害物などを含め、自動運転のような空間をリアルタイムで認識できます。まさに私たちMakerParkの技術となりますので、こちらの各種配置のシミュレーション例が最もわかりやすい事例でしょう。

物体認識型

「物体認識型」は、画像や空間に対し「特定の立体物」を認識して発動する仕組みです。画像認識のように一方から撮影する必要はなく、立体物をどこから撮影してもARが表示されます。マーカーを用意する必要がなく、店舗の商品を対象に「カメラ越しで商品説明を表示させる」ことも可能です。ただし「3Dを読み込む」という特性上、他のタイプと比較し開発や導入が難しいといったデメリットがあります。「小松製作所」はGoogleのARプラットフォーム「Tango」を利用し、建設現場向けのスマホアプリを開発しています。開発中のアプリには完成設計図の3Dモデルを配置して進捗状況をARで確認できる機能などが搭載されているのが特徴です。

出典:MoguraVR

ARそれぞれの特徴がわかったところで、営業や販促に活用できるARは、どのように作ればよいのでしょうか。ARの仕組みについてもみていきましょう。

ARの仕組み

例としてマーカー型のARの仕組みについてご紹介します。

【手順】

  1. まずはじめにトリガーとなるマーカーを設定します
  2. 続いて、画像・動画・3Dなど表示させるARコンテンツ素材をアップロードします
  3. これでARが完成です

ARを活用すれば、細かに説明をしなくても、営業担当者がパンフレットにスマホアプリをかざすだけで、紙面と連動した映像を顧客に見せることができます。音声や映像で商品やサービスの魅力を伝えることができれば、成約率や受注数が増えるだけでなく、人的な工数を削減することにもつながります。

世界規模で普及するARの業界別活用事例

ARはさまざまな分野や業界で活用されています。営業効果の高いツールとして活用できそうなヒントもたくさんあります。
業界別に活用事例をご紹介しますので、ビジネスの参考にしてくださいね。

鉄道業界

地下鉄を運用する鉄道会社では、教育の一環として「土木構造物アプリ」の開発を発表しました。土木構造アプリはスマホの画面で実際のトンネルや橋りょうなどの検査方法・手順を安全に体験できるものです。模擬トンネルにはARマーカーが使われており、時間・場所にとらわれず教育できます。今後、鉄道や航空等、運搬業界において、こうしたARを活用した研修が増えていくのではないでしょうか。研修コストを下げたい企業にはおすすめです。

食品業界

飲料メーカーでは、パッケージのQRコードをスキャンしスマホアプリをタップすると美しい水景を進む映像と水温が楽しめる仕組みのキャンペーンを行いました。ARで癒しの効果やSNS映えが期待できると話題になっています。

また、ARはお菓子のパッケージに利用されることも多く、利用者の購買意欲の向上につなげています。自社製品のパッケージを手にとってもらうきっかけづくりとしてもARは有効です。

製造・物流業界

ARの活用により、未経験者でも簡単に入出荷・仕分け・検品・棚卸などの業務を簡単に行うことができます。

あるクラウドサービス業者では、製造・物流業の在庫・検品作業に利用できるバーコードスキャンの提供を発表したことで話題になりました。

ARの導入により、人的ミスが多かった商品の在庫管理の効率化はもちろん、コスト削減や人件費の削減も期待できます。

輸送用機器製造業界

什器や大型工業商品等を取り扱う会社では、製品パンフレットでARを活用しています。展示会やクライアント先で製品やサービスを体験してもらえるため、顧客から高く評価されています。展示会で実機ではなくARを活用することにより、時間とコストを大幅に削減できます。ARは営業ツールとして活躍できるだけではなく、コスト面のメリットもあるのです。

進化する最新AR技術でより良い社会の実現へ

これまでは、ゲームやエンターテイメント分野での活用が多かったARですが、最近はビジネス分野での活用が進み、商品のパッケージへの応用、家具の配置のシミュレーションに活用、カタログからQRコードを読み込みスマホアプリで映像を表示するなど活用が広がっています。

パンフレットやカタログで立体広告を表示

ARをカタログやパンフレットに活用すると、各商品紹介欄からQRコードを読み込むだけで、お客様は商品の立体映像や広告映像を見ることができます。従来とは異なるユニークな手法で売上アップが期待できます。

洋服などを取り扱うアパレルショップでは、お客様が自分の足をカメラで読み取り、靴のサイズやイメージをチェックすることも可能です。ARを使ってリアルな体験ができるため、顧客満足度の向上やリピート購入にもつなげることができるかもしれません。

医療手術をコンピューターの映像処理でサポートする

勘や経験だけに頼らないデータに基づいた治療が可能になるため、医療業界では、医療手術にARを活用する動きも広まっています。
患者の各器官をARで可視化する、施術予定部分をARでカラーリングして強調表示する、執刀ラインをARで表示するなど、手術をよりスムーズにします。将来的に遠隔医療が一般的になれば、遠方の医師が患者を診療、場合によってロボット遠隔操作を行いながらAR映像を活用して手術するといったプロセスも、一般的になるかもしれません。

製造工場でのトレーニングや保守・点検業務の効率化

製造業においては、研修中の従業員にARでベテラン従業員の映像を見せ、遠隔でトレーニングを指導することも可能です。
また、工場内設備に点検履歴や過去のトラブル内容などを追加表示し、確実な保守点検作業やペーパーレス化なども実現できます。「Googleによる製造業向けAR対応のスマートグラスの開発」などの事例があります。

ARの活用で自社製品・サービスを視覚的にわかりやすく伝えられるため、ブランドイメージもアップし売上向上も期待できるでしょう。しかし、自社でARを開発するのは難しいものです。このような場合、メーカーパークならAR活用でお悩みの営業マンの悩みを解決できます。

例えば、研修中の従業員にARでベテラン従業員の映像を見せ、遠隔でトレーニングを指導することも可能です。また工場内設備に点検履歴や過去のトラブル内容などを追加表示して、確実な保守点検作業や紙資料の削減などが実現可能になっています。実際に、GoogleがAR対応のスマートグラスを製造業向けに開発した事例もあり、今後スマートグラスといったIoTデバイスが普及すれば、さらにARを活用した製造業務の効率化が実現するでしょう。

ARの活用がもたらす効果

ここまでARのさまざまな種類や実例を見てきましたが、実際にARを活用すると営業にどのような効果があるのでしょうか?
ここから具体的にみていきましょう。

スマホアプリで現実世界を拡張する

ARを活用するとスマホアプリで現実世界を拡張できます。パンフレットにARコードを組み込み、その場で動画を見せたり音を流したりと非日常体験に誘導できます。パンフレットを見せるだけよりワクワクした気分で商品やサービスを見てもらえるでしょう。

拡張現実を活用して現場の作業を効率化・円滑化する

拡張現実を活用することで、商品をシミュレーションし現場でAR表示可能です。顧客データも取得できるため、作業の効率化や円滑化につながります。

ARコンテンツで顧客満足度向上も

パンフレットを見せるだけの営業では、顧客は商品やサービスのイメージができず、契約しない場合があります。しかしARを営業ツールとして活用することで、顧客は製品やサービス購入後のリアルな体験が可能です。その結果、顧客の検討・交渉時間を減らし、製品・サービスの購入を期待できます。また、顧客満足度の向上にも貢献できるかもしれません。

ただ、自社で複雑なARを作成するのはそう容易なことではありません。
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