営業ノウハウ
公開日 : 2022.08.09
最終更新日 : 2023.03.07
組織変革を成功に導くチェンジマネジメントとは?進め方や事例を解説

目次
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人間の心理面をサポートするのがチェンジマネジメント
前述の通り、チェンジマネジメントとは企業や組織の変革を効率よく実現させるためのマネジメント手法です。近年、社会情勢やビジネス環境の変化のスピードの速さに対応するための方法として、チェンジマネジメントは注目を集めています。 当然ながら、企業は時代の変化に合わせて組織の変革を行わなければ、持続的な成長はできません。しかし、組織の変化を実現する上で障害になるのが「人間の感情」です。 人は一般的に大きな変化を好まず、現状維持を望む傾向があります。こうした感情から、組織の変化に対して反発の声を上げる人も多くいます。 組織におけるこれらの感情を無視して変革を推し進めても、大きな成果を得ることは困難です。 また、変革を行おうにも、その意図や考えが末端の従業員まできちんと伝わらないケースも少なくありません。意図が伝わらないばかりに現場の従業員が変革に対して無理解だったり不満を持っていたりすると、組織変革の目的は達成されず、最終的に失敗に終わってしまうでしょう。 組織や企業を時代に合わせて変革させ、持続的に成長を促すためには、従業員の協力態勢を整える必要があるのです。こうした背景から、チェンジマネジメントは求められるようになりました。 個人が組織の変革を受け入れる体勢を整え、共感を得ながら効率的に進められるようにすることがチェンジマネジメントの目的です。チェンジマネジメントの活用ができれば、組織の改革をスピーディーかつ正確に進めることができ、ビジネス上の成果に繋げることができるのです。チェンジマネジメントの分類は3種類
チェンジマネジメントの種類として、下記の3つが挙げられます。 上記3つの違いを理解し、それぞれに適したマネジメントを行うことが非常に重要です。個人単位で行うチェンジマネジメント

プロジェクト単位で行うチェンジマネジメント

組織全体に行うチェンジマネジメント

8つのステップでチェンジマネジメントを進めよう

緊急課題であるという認識の徹底
チェンジマネジメントを行っていく上で最も重要なのは「緊急性の明確化」です。なぜなら組織の改革を行う際には、従業員が当事者意識を持たなければならないからです。当事者意識を持たなければ、危機感は生まれず、現状のままで良いという考えになってしまい、変革は進んでいきません。 そのためには、自社がこのまま変革なく進んでしまった場合、どのような危機が起こってしまうのかなどを従業員に理解させる必要があります。またこうした変革をチャンスと捉え、チャンスを掴まなければならないという危機感を生み出すことも大切です。 従業員に当事者意識を芽生えさせ、意識改革を促すことが最初のステップです。変革を行うチームの結成
従業員の危機意識を高め、当事者意識を持たせた後は、組織の様々な部署の人材を集めて、変革をリードするチームを結成します。 組織全体の変革を促すため、このチームに求められる人材には「人脈」「信頼」「リーダーシップ」など、あらゆるスキルが必要です。またこのチームに所属している従業員には優劣をつけず、全員対等な関係を構築させることも大切です。 こうした変革を行うチームを結成することで、社内でモデルケースができるため、効率の良い変革が進んでいきます。変革を行うビジョンの明確化
変革を行うために結成したチームは「ビジョンの明確化」を行います。ビジョンを描く際には、企業や組織が将来的にどうなりたいかを考えることが大切です。チェンジマネジメントを提唱しているコッター氏によれば、ビジョンを描くためには、下記の6点が重要であると挙げています。- 将来像を明確に可視化できるものか
- 従業員、顧客、株主といったステークホルダーが変革に対して期待する長期的なメリットが得られるか
- 現実的で実現可能な目標が策定されているか
- 意思決定の方向性がはっきりしているか
- 変化に対し、個々が柔軟に対応できるよう選択が許容がされているか
- 5分以内に内容を簡潔に説明できるものか
ビジョンを組織全体で共有
明確化されたビジョンは組織全体で共有していきます。なぜこのビジョンなのか、どのような想いが込められているのかも合わせて伝えられると良いでしょう。 ビジョンは、一度発信したら終わりではありません。従業員に意識付けるためにも、何度も繰り返し発信を続けることが大切です。発信・共有の方法はオンラインやオフラインなど、様々な方法で行い、期待感を高めることも大切です。変革を行うための環境整備
ビジョンの共有を行っても変革できる環境が整っていなければ、チェンジマネジメントが頓挫してしまいます。そのため、従業員が自発的に変革に向けて動くような環境整備を行う必要があります。 具体的には、下記のような環境整備があると良いでしょう。- 行動のリストアップ
- 評価体制の整備
- リーダーシップ教育
短期的な目標設定とその達成
変革には時間がかかるものです。ですから、より前向きに取り組んでもらうために、短期的な目標設定を掲げることも大切です。従業員が短期的な目標設定をクリアできれば、変革に前向きな姿勢で取り組むことができます。 例えば、目標を達成した従業員にボーナスが発生すると、従業員のモチベーションに弾みがつき、より改革を進めやすくなります。さらなる変革の促進
短期的な目標の達成を積み重ねることで、より大きな変革を促すことが可能です。変革の目標を一度クリアしているため、変革に対しての抵抗感が少なくなり、より前向きに取り組むことに繋がります。 より変革を進めるために、更なる人材の投入や制度面の充実を図っていきます。変革を推進する手法の定着
変革を行った結果を従業員に示すことで、新しく定めた制度や考え方などの定着を図ります。結成したチーム内のみならず、後継者の選定や教育などを行っていくと良いでしょう。 社内にしっかりと定着して初めて、変革が成功したことになります。チェンジマネジメントを阻害する「チェンジモンスター」に注意

タコツボドン
タコツボドンは現在の組織内の役割に止まり、関与を激しく拒絶する人を指します。 「今のやり方でこれまでやってきた」など、変化に対して強情に拒否します。ウチムキング
ウチムキングとは、組織内や企業内での評価に目が行き、社会情勢の変化に無関心な人を指します。 市場ニーズの把握などの努力も行わないため、変化への重要性が理解できず、反発する傾向にあります。ノラクラ
ノラクラとは、口だけは達者で実際に行動をしない人を指します。行動しない理由ばかりを考え、できないと発言することが多いのが特徴です。ノラクラはその人はもちろんのこと、周りにも影響を与えてしまうことが多いため、早めに対処が必要です。カイケツゼロ
カイケツゼロとは、評論家のように組織や企業の問題点に対しては声高に指摘するものの、自身では解決する努力を行わない人を指します。ノラクラと同様、口は達者ですが行動が伴わないため、根本的な問題解決には繋がりません。チェンジマネジメントの(成功)事例
